石川県いけ花文化協会

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第47回北國花展
北國芸術賞受賞者大作・特別大作 作品紹介

【開催日時】
前期:令和4年1月15日(土)~1月18日(火)
後期:令和4年1月20日(木)~1月23日(日)

【展示場】
金沢エムザ 催事場

北國芸術賞受賞者大作 5点

-陰陽-
西保 淳甫(嵯峨御流・野々市)
 全てのものに陰陽があり、陰陽和合して宇宙が構成されています。泰山木の葉は表(陽)が緑、裏(陰)が茶色と違いがはっきりしています。陰陽は調和が大切。自宅にあった泰山木を中心に、世の中がバランスよく平和になるよう祈りを込め、松の枝、竹を金に塗り、枝若松、梅を合わせて、松竹梅でおめでたい雰囲気を出しました。
あ・うん
蓮覚寺 光敬(草月流・金沢)
 お弟子さんたちの力を借りて過去、現在、未来それぞれを形にしました。右には風格ある栗のジンに太古からあるソテツ、松ぼっくりで過去を、中央は竜に見立てた松の枝に、生の花を寄せて現在を、左には何色にも染まる白色のレースに、竹ひご、かすみ草で未来を描きました。過去に感謝し、生け花を未来につなげていく使命を感じています。
漆,Japan
市村 理優(古流華之枝会・野々市)
 漆は海外で「Japan」と呼ばれ、日本を象徴します。100年以上をへた漆を入れる桶(おけ)や、赤漆が鮮やかな樽(たる)、実家の漆椀を花器として生かし、シンビジウムや松を生けました。壁には初釜の床飾りに使う結び柳を。漆の採取に用いる入れ物を花器にしました。コロナ下の先に、家族で和やかな正月を迎えられる日が来ますように。
古流の生花せいか 華林かりん彩流華さいりゅうか
廣岡 理樹(古流柏葉会・金沢)
 梅の枝が水面をかすめ、また昇る。「水くぐりの梅」は江戸時代の芸術家の魅力的なテーマで、古歌にも詠まれました。今回、白梅を寒雉(かんち)作の鉄の大砂鉢に生けて聖徳太子図を飾り、右には野生の椿一色の彩流華(さいりゅうか)を寄せ、熊野の山の神の絵を合わせました。絵はともに自作です。伝統を重んじながらも現在、そしてこれからにつながります。
立花
前田 由翠(池坊・金沢)
 昨年北國芸術賞をいただき、北國花展では初めて立花新風体(しんぷうたい)に挑戦いたしました。凜(りん)とした松の姿と白梅に心ひかれ、シャレボクを合わせて輝かしい1年に願いを込めました。池坊特有の技法で生み出した自然の風景に、ランが優しさを添えます。いつも楽しみな年初めの花展。気持ちを新たにして、花に精進していきたいと思います。

特別大作 5点

躍動
大島 祥頌(小原流・小松)
 東京五輪の聖火の点火シーンに着想を得て構成しました。つぼみが次第に開く様を小さな球体と躍動感ある流木で、そして花がふわっと広がるイメージを大きな球体とアンスリウム、竹で表現しています。ホログラムの球体は宇宙や生命の神秘を暗示します。新しい力が湧き出るような、コロナを吹き飛ばすパワーを感じてほしいと思います。
GoTo蓬が島
永野 佐洋甫(嵯峨御流・金沢)
 蓬(よもぎ)が島とは松竹梅が咲き乱れ、鶴亀が遊び、仙人が住むといわれる伝説の島です。竹の筒に松と梅、鶴に見立てたパームリーフを生け、背景は亀甲柄をあしらいました。床には仙人の霊芝(れいし)を添えてあります。コロナ禍で皆が大変な思いをされている中、健康で長寿に過ごせる楽園に「GoTo」できればと願いを込めています。
立花新風体「迎春」
山本 才智子(池坊・津幡)
 初めて特別大作を生ける機会をいただき、新しい年を迎えた思いを池坊の立花新風体で表現しました。選び抜いたしだれ柳をはじめ、木瓜、松、千両、カトレアを使っております。さらりとした作品ですが、迎春を感じていただけるでしょうか。こんなご時世だからこそ、生の花で元気をお届けすることができればうれしいです。
みち・・・・・つむぐ
森川 理青(古流柏葉会・金沢)
 左手は故郷の山から切り出したサワフタギ、能登松を使い、今年七回忌を迎える廣岡紫穂(しすい)先生の教えを心に、ふるさとの原風景を表現しました。右手は河津桜と雪冠杉、かすみ草を使い明るい年となるよう願いを込めました。今回はベテラン、若手と多様な方々が制作に参加してくれ、お花のパラリンピックをする気持ちで仕上げました。
一陽来復
村上 仙香(草月流・金沢)
 冬が終わって春が来るように、コロナや災害などの災いが終わり、今年は良い年になるようにと、一陽来復の言葉を借りました。草月が得意とする竹をアーチ状に上下に配し、春を先取りして木瓜(ぼけ)の木を生けました。これから花開くつぼみに希望を、そして丸水盤の水面に映り込む竹を含めた三重のアーチに願いを託しています。

(順不同)

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