石川県いけ花文化協会

ホーム

写真ギャラリー

第44回北國花展 北國芸術賞受賞者大作・特別大作 作品紹介

【開催日時】
前期:平成31年1月19日(土)~1月22日(火)
後期:平成31年1月24日(木)~1月27日(日)

【展示場】
めいてつ・エムザ 催事場

北國芸術賞受賞者大作 4点

迎春
清水 千翠(池坊・金沢市)
 岸壁のごとく武骨な古木2枚を生かし、古典と現代を融合させながら立花正風体(りっかしょうふうたい)に仕上げました。中心線にマツを置き、アカメヤナギで空間に動きを出しています。ツバキやコチョウランも使い、春を迎える喜びを表しました。今回の生け込みは、弟子に多くを委ねてみました。米寿を迎え、次の世代に生け花をつなぐ思いを強くしています。
-光-
西 淳甫(嵯峨御流・野々市市)
 今年の「歌会始の儀」のお題「光」を表しました。植物は光を浴びて育ちます。群青の背景に羅漢槙(らかんまき)などの緑を寄せ、漂白したシュロ、松の枝には金色を吹き付け、黄色の菊、オンシジウムと合わせ、光を感じていただけますでしょうか。新しい年号に変わる年に、ホッとひと息つける安らぎの「和」の空間になれば幸いです。
時のはじめ
蓮覚寺 光敬(草月流・金沢市)
 平成から次の時代を迎える今をタイトルに込めました。金に着色した竹ひご、和紙を渡して表した日の出は、時代の幕開け。純白のカスミソウはまだ何にも染まっていない若者たちの未来です。一方で、長く時代を見詰めてきたマツを3種類生けています。ロウバイと合わせて松竹梅をそろえました。輝かしい「時のはじめ」です。
(つなぐ)
市村 理優(古流華之枝会・野々市市)
 代々つないでいく絆を、婚礼のイメージに託しました。能登松を本手で生け、紅白のサンゴミズキを左右対称に流し生けで配しています。手前のシンビジウムも古流伝統の生け方です。5色のスイートピーは、祝いのごちそうのようにお重に生けました。つがいの鳳凰の水引細工は娘の結納に使ったもの。夫婦の加賀水引も添えました。

特別大作5点

舟三艘(ふねさんそう)
荒木 理芳(古流柏葉会・加賀市)
 万葉の歌人、柿本人麻呂の古歌の心で舟三艘に生けた花が、室町8代将軍・足利義政を喜ばせた伝承をもとに、古流の家元が残した由緒正しい生け方です。風を受けて出航したばかりの舟、少し離れて浮かぶ舟には老松、沖に航行する舟にはオモトを生け、ネコヤナギで波を表現しています。歌の軸は、廣岡理樹家元による自筆です。
節目を寿ぐ
蓮本 年山(草月流・羽咋市)
 平成の時代から新しい時代へ向かう節目を祝い、梅と紅白のアレストロメリアを生け、農具「ころがし」の六角形を亀甲紋に見立てて配しました。これまで温故知新を胸に、感謝と共に60年余り花の世界をつないできました。ころがしを彩る加賀五彩のひもはつながりの表れです。現在、過去、未来がつながり合い平和が訪れることを願います。
『光』
藤村 華水(嵯峨御流・野々市市)
 一本の五葉松から花形を見つけながら生け、寒中にあっても百花に先駆けて咲く梅と合わせ、森羅万象を表現しました。命あるもの全てに光を見るようです。
 今年の歌会始の題は「光」。日本は光り輝く新しい時代が始まろうとしています。辺りを照らす月形の花器にはランを生け、梅の古木から伸びる青い気條(ずわえ)に光り輝く未来を託しました。
希望
芦辺 松寿(池坊・小松市)
 新天皇ご即位と新たな時代の始まりに際し「希望」と題しました。寒吹雪に耐えたエゾマツとシャレ木を対応させ、車輪梅と老松で深みを持たせています。ランの花には希望、そして生け花で「心」を伝えたいという目標を託しました。集大成となる初の特別大作であり、今後もさらなる高みを目指し謙虚に修練を重ねていきたいと思います。
かなめ
友田 桂伸(小原流・白山市)
 新しい年号に変わる要の年と、長い花の道にあって初めての特別大作に臨む自身の節目に、祝いの気持ちを花に込めました。歳月を重ねた古い巨木と、青々とした松という新旧の花材を共鳴させ、新たな出会いを伝えています。水盤は、華やかなボタンを祝いの要として生け、緑をあしらい陸と水辺を表現した小原流独特の様式で仕上げました。

(順不同)

pagetop