石川県いけ花文化協会

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第48回北國花展
北國芸術賞受賞者大作・特別大作 作品紹介

【開催日時】
前期:令和5年1月14日(土)~1月17日(火)
後期:令和5年1月19日(木)~1月22日(日)

【展示場】
金沢エムザ 催事場

北國芸術賞受賞者大作 6点

-友-
西保 淳甫(嵯峨御流・野々市)
 今年の「歌会始の儀」のお題「友」から着想を得ました。大王松やオンシジュームなど和洋の花材を取り合わせ、調和するよう仕上げました。シュロの葉は創刊130年記念を祝い金色に。孔子の論語に「朋有り遠方自り来たる。亦た楽しからずや」とあるように、世界中の人が仲良く行き来できる平和な世が訪れてほ しいと願っています。
想・そう
蓮覚寺 光敬(草月流・金沢)
 正月らしく祝賀の雰囲気に満ちた作品に仕上げました。能登島で採れた高さ 約1.3メートルのニューサイランは立派でパワーにあふれ、数百年を生きた古木は、脈々と横たわる自然のエネルギーを示しています。空間全体のバランスにも気を配りました。訪れた皆様には思い思いに、自然体で肩肘張らずに鑑賞して いただければ幸いです。
飛翔(時を重ねて)
市村 理優(古流華之枝会・野々市)
 位の高い松やランを生け、創刊130年記念の節目を祝うとともに、2枚の屏風に、ふるさとの歴史を伝えてきた地元紙のイメージを重ねました。ストレチア (極楽鳥花)で鳥が現在から羽ばたく姿を表現し、北國新聞をはじめ、香り高い文化を育んできたこの地域や、日本全体が未来に向けて飛躍するよう願いを込めました。
華林かりん彩流華さいりゅうか
「風神・雷神/コンテンポラリー」
廣岡 理樹(古流柏葉会・金沢)
 俵屋宗達の国宝「風神雷神図屏風」をモチーフに、現代アート風にアレンジしました。ツバキは左が雷神、右が風神で葉の緑を主体とし、それぞれを上から見 た形を水墨画で抽象的に描きました。背景は銀色で、黒い器に銀色を吹き付け、和紙を敷き詰めふわりとした質感を演出。モノトーンの美しさを、空間とともにまとめ上げました。
伝統の心 未来へ
前田 由翠(池坊・金沢)
 立花と現代自由花の作品をそれぞれ並べ、伝統と未来を融合させた作品に仕 上げました。立花には伝統的な花材である松や梅を配し、自由花には角材で作った長方体と自然に生えていたヤツデを組み合わせ、スズ製の曲がる器などであしらいました。伝統が未来につながり、未来は伝統があるからこそ輝く。そんな思いを込めました。
風光る
飯田 真寿(小原流・小松)
 昨年北國芸術賞をいただき、小原流の神髄である「写景盛花(しゃけいもりば な)」で春間近の山を表現しました。雄大な大地はモミジなど大きな古木を組み 合わせ、足元に山奥から川を流れてくるヤブツバキを配しました。テグスは光や風であり、希望です。大胆さこそ北國花展の醍醐味。静と動が同居し、無限の広 がりを感じさせる作品に挑みました。

特別大作 5点

WIDEN THE CIRCLE
荒木 満由美(池坊・白山)
 昨年から輪とハスにこだわり、作品制作に取り組んでいます。直径1・8メートルの 輪の中に、銀や黒、赤に染めたハスの葉を配しました。上や右に葉を密集させ、下や左は軽く仕上げることで、池坊の醍醐味である「不安定の美」を演出し、流れるような躍動感を表現しました。ナンテンの実やレッドウィローの赤がアク セントになっています。
彩流華「双龍そうりゅうまい
入野 月華(古流柏葉会・加賀)
 双龍が舞う様子を、ツバキだけを使って構成しました。枝は一切曲げずに生けて、龍の動きや風を表現しています。枝先の葉の枚数も計算しました。着想を得 た廣岡理樹古流柏葉会家元の墨絵「龍図」を、「現代の名工」の表具師、永嶋明さんの表装とともに飾りました。絵と合わせて、空間の中に流れる風を感じてほしいと思います。
臥龍梅がりゅうばい
山本 礼甫(嵯峨御流・金沢)
 能登で育った梅の古木はこけむして、落ち着いた風格を漂わせています。古木の足元には梅の新芽の枝を配し、いずれ訪れる春を待つ生命力の強さを表現しました。敷き詰めた白石は土、黒石は水を表しています。冬にしては暖かい日が 続いたのか、梅の古木のつぼみが膨らんできました。自然の妙が凝縮された作品 となりました。
一陽来復
南川 穂和(草月流・金沢)
 今年こそはコロナを払拭し、将来に向けて明るく過ごせるようにと思いを込めました。新年の花展ということで、松を使ってめでたい雰囲気を出し、ツバキ やオンシジューム、ロウバイで彩りを添えました。取り囲むように躍る割竹が、生き生きとした動きを作品に与えます。鑑賞した人が華やかな気持ちになって いただければ幸いです。
松寿
堀豊 桂(小原流・金沢)
 力強く、にぎやかな松。真っすぐで、柔軟性もある竹。清楚な梅。それぞれに品格のある松竹梅で構成し、新年をことほぐ気持ちを込めました。梅は会期中に 花を咲かせ、香りも楽しんでいただけると思います。コロナなど暗い話題は多いですが、おめでたいお花を見て、少しでも元気になっていただければうれしいで す。

(順不同)

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