石川県いけ花文化協会

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第46回北國花展
北國芸術賞受賞者大作・特別大作 作品紹介

【開催日時】
前期:令和3年1月16日(土)~1月19日(火)
後期:令和3年1月21日(木)~1月24日(日)

【展示場】
めいてつ・エムザ 催事場

北國芸術賞受賞者大作 3点

-実-
西保 淳甫(嵯峨御流・野々市)
 古来、中国では桐(きり)の木に鳳凰(ほうおう)がとまると言い伝えられます。桐は成長が早いため、女子が生まれた時に植樹し、嫁入り時に桐だんすの材料とする風習もありました。今作では、吉兆とされる鳳凰に見立てて、「極楽鳥花」の異名を持つストレリチアを用い、桐の実と取り合わせています。今年は全てにおいて実りある一年でありますように-。
(かなで)
蓮覚寺 光敬(草月流・金沢)
 テーマは「メロディー」です。ピアノやコーラスの素養があるお弟子さんたちと一緒に、見る人が軽やかな音楽を感じるような曲線、色使いを心掛けました。今回は水を使わず、ヒバや綿、カスミソウやモンステラのドライフラワーなどを寄せています。コロナ禍を脱した先に訪れる、新しい時代の足音が聞こえてくるでしょうか。
古流の生花(せいか)と華林(かりん)・彩流華(さいりゅうか)
廣岡 理樹(古流柏葉会・金沢)
 金沢箔の輝きに満ちた紅白の床の間をイメージし、「老松」の額には松と万年青(おもと)の生花を、「花」としたためた軸にはツバキの葉、カスミソウ、カーネーションなどの彩流華を合わせました。伝統的な生花と、古来の陰陽五行の哲学に基づいた新しい彩流華で、金沢らしく新旧を表現しています。変わりゆく時代に、その両方を見詰めていきたいと思います。

特別大作 4点

玄冬
矢地 幸子(池坊・金沢)
 冬山の厳しさを表現するため、あえて色を入れず、ごつい板を差し込んで重量感を強調しました。スッと伸びたシラビソのように、コロナ禍にあっても気持ちを真っすぐに保ちたいもの。真ん中には、明るい兆しをイメージした祈りの白ユリを添えました。鍛銅の器は、花材の重厚さに耐えられるようにと自作したものです。
初春の花衣桁(はないこう)
番田 理昌(古流華友会・津幡)
 室町幕府八代将軍・足利義政の好みで衣桁に花を飾ったのが始まりとされ、今回は最も格調高い「真(しん)」の飾り方で、置き花、吊(つ)り花、掛け花の調和を図りました。第十二代家元会長に就き、昨春に計画していた披露花展がコロナで延期となり気落ちしていましたが、北國花展の大舞台で結束して大作を仕上げられたことをうれしく思っています。

牧野 秋勝(草月流・野々市)
 昨年、母親のように私を見守ってくれた花の師が他界し、実母と姑(しゅうとめ)も見送りました。今作に込めたのは、3人の「母」に支えられて花の道を歩んでこれたことへの感謝です。主人が山で見つけた太い藤づるに、さらし垂れ桑で勢いを出し、赤のグロリオーサで華やかさを添えました。つるの一部がハート形になっているのが分かりますか?
吉報君友(きっぽうくんゆう)
山口 真由水(嵯峨御流・金沢)
 柑橘(かんきつ)類の「橘(きつ)」は「吉(きつ)」に通じ、尊い友に贈って吉祥を味わってもらうという意味合いがあります。ユズやオレンジ色のシンビジウムなど、元気が湧いてくるビタミンカラーでまとめてみました。こんな時代だからこそ、伝統を絶やすことなく花の道を進むことが大切だと感じます。世の中によい便りが早く届くよう願っています。

(順不同)

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